
 当院で行われている白内障手術の実際の様子です。
 
以前は、手術者は患者さんの上方にすわり、患者さんの上側(眼に時計の文字盤が書いてあるとすれば12時の位置)から手術するのが普通でした。
最近の白内障手術は、患者さんの横に座り、横から手術するのが普通です。
 この例では、手術者は患者さんの左側に座り、患者さんの左の眼を横から(眼に時計の文字盤が書いてあるとすれば3時の位置を手術者の手前にして)手術しています。
 患者さんが手術用の椅子に座り、徐々に水平に傾いているところです。
 左眼を消毒しています。
 眼の部分だけ穴のあいた、清潔なドレープで、顔を覆います。
 手術用顕微鏡を左眼の真上にもってきて、手術者は患者さんの左側に座ります。
 ここからは、手術用顕微鏡を通して見ている映像です。
画面の下方が 左眼の左側(眼に時計の文字盤が書いてあるとすれば3時の位置)になります。
幅 1 ミリのダイヤモンドナイフを用いて、5時の位置の角膜周辺部(厚さ0.7ミリ)
を切開します。
 幅 2.3 ミリの金属製ナイフを用いて、3時の位置の角膜周辺部(厚さ0.7ミリ)を切開
します。
 白内障の表面の膜(前嚢)に丸い窓を開けます。
 右手に超音波乳化吸引装置のハンドピースを持ち、左手に持ったフックと呼ばれる
簡単な道具との協調動作により、白内障の核とよばれる部分に、半径方向の切れ込みを
入れます。
 同様の切れ込みを4か所に入れて、白内障の核を4つに分割します。
それぞれの分割片は超音波乳化吸引装置のハンドピースにより、乳化吸引します。
 核が取り除かれたあと、皮質と呼ばれる柔らかい成分が残存します。
これは単純に吸引除去します。
 あらかじめカートリッジ(透明な筒)の中に入れて準備されている黄色い眼内レンズを
、2.3ミリ の角膜創を通して、取り除かれた白内障の跡に挿入します。
 眼内レンズには2本の足がついていて、次第に広がり、嚢のなかでつっぱって、自然に
固定します。
 最初に作成した 1ミリ  と 2.3ミリ の角膜創は、非常に小さい創なので、縫合する必要はなく、水圧の調整によって閉鎖します。
 眼帯をし、体を起こし、退室する直前の様子です。
  